政党に還流した政務調査費 ②

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 品川区議会のある会派の幹事長が、「私の会派は政務調査費で『議会報告』を出していますからー」と説明した一言で、私の類まれなる好奇心に火が点き、その会派の長年にわたる"公金詐取"が明らかになった一件である。

 相手は「議会報告を出しています」と言った。たしかにその議員の所属政党の機関紙は届いていたが、会派の「議会報告」は一度も目にしていなかった。これが私の好奇心を刺激したのである。

 その政党は地域政党の「品川・生活者ネットワーク」(以下ネットと言う。)。

 翌日、東京都の選挙管理委員会に足を運び、政治資金規正法の規定で届けられているネットの〇四年、五年度の収支報告書を閲覧した。ここには記念誌発行のための若干の支出が載っているだけで、定期発行の「ニュース」の発行のための費用は全く記載されていなかった。ここで、公金の還流のからくりに気がついた。 

 

  翌日は区議会の事務局に出向き、同会派の〇四、五年度の政務調査費の収支報告書の情報開示の手続きをした。数日後に交付された一件書類の〇四年度は、広報発行のための印刷費と郵送料の費用として約250万円の支出が記載され、五年度は同じ項目に約300万円の支出があるが、同会派の無所属議員に確認を求めたところ、なんと、会派として発行した「議会報告」は一枚もなかったのである。そのうえ、発行作業の莫大な人件費まで政務調査費で支出している。 

 議員と政党が"共謀"して、制度の発足以来、この手口で政務調査費の大部分を政党に還流させていた違法行為を暴露した瞬間である。ただちに"紙爆弾"で公表するとともに、「議員とカネ」のテーマで依頼された数ヶ所の講演の中で具体的に話したのは言うまでもない。同時に、当該政党と議員には公開質問状を送付したが、議員の一人から抽象的な逃げの回答があっただけ。会派の幹事長と政党の代表は、私の殺気を感じたのか? 無回答。

 この政党が掲げている、実践する三つのルールの二つ目に「お金の流れは公開し、政治資金の透明化をはかっています」とあるのが白々しい。そして、昨年の区議会議員選挙の候補者(幹事長)の選挙公報には「政務調査費の情報公開」と載っていたのである。確たる定義もなく「生活者」、「市民派」と自称するが、ネットも所属議員も、普通の市民感覚が欠如しているのか、思考回路が故障しっぱなしなのか?

 詐欺、公職選挙法、政治資金規正法等々の容疑で告発することも考えたが、選挙後に区議会内の包囲網が整ってきたのが気になったのか、一応は改められているようなので、"執行猶予"にして様子を見ているところである。

 東京の二十三区と二十六市のうちの三十数地区に同じ地域政党が存在しているという。暇とカネが乏しいので調査する気もないが、同じ手口で公金を還流させているとすれば、捜査当局の関心次第では一大事件に発展するかもしれない。

 現職の市議当時、自戒のために心に決めた「議員心得32箇条」の10番目に、「公私の別をはっきりさせ、一旦事あるときは私情を捨てて追及し、斬る」という項目がある。七日に書いた玉野市議会の領収書改ざん事件はその一貫として斬り捨てた。同じ「心得」の17番目に「職員や議員との雑談は『情報の宝庫』と心得-」という項目がある。ここに書いた事件はその「心得」の10と17に該当するもので、議会運営等でいじめや嫌がらせなどの困難に直面するたびに相談を受け、助言・協力を惜しまなかった私としては、怒り心頭、言うべき言葉もなく斬り捨てた事件である。

 

 

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Comments(1)

奥山たえこ@杉並区議です。ふくおさんには、いろんなご教示いただきながら、ご報告もせずご無沙汰しており申し訳ありません。

政務調査費については、杉並区議会でも使途基準見直し作業を、2年に亘って2度行ない、やっと確定したところです。
#しかし、実際には、こんなの変だと思う点が新たに発生しています。基準を作って、領収書を添付すればそれでOKとは到底行きませんね。

さて、議会報告書については、杉並区でも従前から「広報費」として認められており、2007年度からは、現物を添付の上、政治活動、政党活動も掲載した場合には、按分して精算するようにと決まり、それは当然だよねくらいに思っていました。
しかし、今回のケースを「公金詐取」と厳しい表現でご指摘なさるのを読んで、「ええっ!?」とびっくりしました。確かに使途基準からはずれることは、「公金詐取」なのですね。
#そんなことも気がつかなかったかと叱られそうですが。

実は、先日提出し終わった、昨年2007年度の政調費の書類作成には、従前の数倍の時間がかかって、もうほんとに大変でした。領収書を自分保管から、事務局に提出に変わっただけなのに。緊張する作業でした。
でも「公金」をいただくということは、そういうことなのですね。議員はそれだけの責任を負っているのだと、あらためて、気を引き締めなおした次第です。

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ふくお ひろし

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