定額給付金は餌にならない海老

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政府・与党内のドタバタで迷走した定額給付金の給付額が決まった。だが、華々しく景気対策と花火を揚げながら、目的が景気対策か生活の支援かあいまいなまま、しかも地方に丸投げしたのは無責任だ。

 

 

国の施策が丸投げになるのは前代未聞の珍事件だ。世紀の愚策」とこき下ろした野党の批判は珍しく当を得ている。一方の麻生首相は、地方自治体の現場の混乱を指摘する声に、「全然混乱しない。地方分権だ」とうそぶく始末。

 首相は、公式の場で、「頻繁(ひんぱん)」を「はんざつ」と読み、「踏襲(とうしゅう)」を「ふしゅう」、「未曾有を(みぞう)」を「みぞうゆう」と読んだと、新聞各紙の紙面で笑われている。要するに、日本語を知らないから「地方分権だ」などの言葉がポロリと出てくる。しかし、これは官僚が首相の読む原稿にルビをふり、さらに読み方を教えることで解決できる問題である。

話が横にそれたが、選挙目当ての定額給付金の「ばら撒き」は官僚の手ではどうすることもできないほど政治問題化している。自公両党には、生活必需品の高騰に四苦八苦し、折り込み広告を見比べながらの買い物を余儀なくされている、我が家のようなレベルの庶民の生活がまるで分かっていないようである。二年後には増税の付け回しがあると首相の口から繰り返して言われれば、定額給付金の名目で税金が還付されても、新たな消費に回そうとの発想はツユほども起きないのは当たり前だ。

 

収入増が見込めない年金生活者は、物価の抑制策、減税等の恒久的な施策を待ち望んでいる。選挙目当ての「ばら撒き」に騙されるほどにはお人よしになれるものではない。

年金制度の抜本改革、雇用対策、子育て支援、後期高齢者医療制度の廃止―など、政治がやるべきことは山ほどあるにもかかわらず、最近まで国会が与野党の同床異夢の状態で眠っていたのはいただけない。野党の体たらくにもホトホト愛想が尽きるが、そうかと言って、「政治には何も期待しないし、できない」と諦めてしまっては"敵"の思う壺である。諦めることはない。選挙対策の「海老で鯛を釣る」発想はもはや通用しないと思い知らさなければならない。餌の「海老」を口にすることがあっても、"釣り人"の思惑通りに釣られることはないのだ。

政権交代後も政治が変わらなければ元に戻せばいいだけだ。古今東西、「有権者はそのレベル以上の政治はもてない」と言われているが、今度こそ主権者の国民は、選挙権という「最強の権力」を行使して政治を変えるに違いない、と思うことにした。

 

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ふくお ひろし

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