暴露された経歴詐称
政府は21日、公正取引委員会委員に上杉秋則一ツ橋大教授(元公正取引委事務総長)を充てる人事案について、過去の活動に不適切な点があるとして撤回した、とのニュースが流れた。
上杉氏は公取委に在職中、弁護士資格を持たないのに架空の弁護氏名で月刊誌に論文を寄稿し、さらに、独占禁止法に関する実名での著作を紹介する出版社のチラシで、肩書を弁護士としていたことも野党の調査で判明し、「経歴詐称」と指摘を受けた与党が政府に案の撤回を求めたというお粗末な一件。
恥をさらした本人はともかく、麻生首相の場合、「K(漢字が)Y(読めない)」「K(経済も)Y(よく知らない)」という意味で「新KY首相」と呼ぶ声が定着しつつあると辛らつな報道もある。いよいよ麻生政権は断末魔の末期状態に入ったのだろう。この先が楽しみだ。
経歴が問題になった今回の例で思い出したが、選挙関係の書類に記載する経歴に虚偽事実を公表して当選し、その後に虚偽の経歴が暴露され、せっかく当選したのに議員辞職に追い込まれた愚か者がいた。
その御仁は、07年の世田谷区議会議員選挙でトップ当選した民主党の若い議員。外務省の外交官だった時代の地位を偽り、三等書記官だった身分を一等書記官と書いたために、抵抗むなしく議員辞職に追い込まれた。
つい先年、同じ政党の国会議員が、米国の大学の経歴に証明できない虚偽のものがあると暴露され、弁明も空回りして辞職した。選挙に出るものなら知っていてもいい話だと思うが、前記の"一等書記官"殿は、知らなかったのか、自分はばれないとでも思ったのか? いずれにしろ有権者を騙すのは悪質である。
ところで、その当時の世田谷区議会で、その事件を契機として当選者の経歴を公表する条例の検討が始まるとのニュースを見て驚いた。
公職選挙法では虚偽事実の公表には罰則があるが、選挙公報には経歴の記載は義務付けられていない。また、立候補の届け出の書類には職業を書くことにはなっているが、無職と書くのが嫌で自治会長と書く人もいた。自治会長を職業とみる人はいないと思うが、だからといって「虚偽記載だ」と告発する人はいない。人に知られたくない過去がある人でも立候補できるのだから、経歴のすべてを暴き立てることが正義とは思えないのだがー。
大学に在学したことを選挙公報に書きたくても、中退なのに「卒業」と書くと虚偽事実の公表となる。そこで知恵のある人は「○○大学に学ぶ」と書く。これでセーフとなる。経歴書には「〇〇大学卒」と書いてあったが、新聞記者のしつこい問い合わせにあい、新聞に載る学歴を「〇〇大学〇〇部通信教育部卒」と書き換えを求められ、カックリしていた市長候補がいた。「元○○市議会議員」「元○○党衆議院議員」と印刷した名刺を差し出されて目を丸くしたこともあった。弔電にも「元○○議員」と書く人もいる。それを貰ってありがたがる有権者もいるのだから、まさに世はさまざまなのである。
この記事へのトラックバック(0)
トラックバックURL: http://fukuohiroshi.net/mt/mt-tb.cgi/133

