議員の互助会に税金投入   "ヤミ退職金"も

| | TrackBacks(0)

 議員の任意団体に過ぎない互助会(議員会)に税金の投入を要求している議会がある。まさに、納税者の感覚と相容れない特権意識を絵に描いたようなものである。

ここ品川区議会もその例に漏れず、議員の互助会に税金の投入を求めていたが、私の得意とする"紙爆弾"一発で「悪しき慣例」の廃止を勝ち取った戦いがある。

 品川区に転入して間もなくの05年の春、近くの図書館で閲覧した区の予算書の中に堂々と、区議会議員の互助会に補助金が出ているのを発見して精査したのがきっかけだった。

 同区議会の互助会の主な事業は、①脱会給付金の交付②文化、スポーツ、レクリエーションに関する部活動の助成――となっている。議員一人当たりの会費として月額5千円徴収しているが、その年は区の補助金として88万円の交付を受けている。

 地方自治法は公益上の必要がある場合の補助は認めているが、議員の遊びや趣味に税金を交付することが「公益上必要」と思う納税者はいないはずである。区と議会側の長年の馴れ合いの「悪しき慣例」であるのは疑う余地はない、と私は考えた。

現に福岡県筑紫野市の議員の互助会に関する住民訴訟の9993日の福岡地方裁判所の次の判決がある。「互助会の事業はきわめて趣味的・遊興的な要素が強く、市議会の公的活動との関連性は薄弱。市が寄付や補助を行う公益上の必要は認められない。互助会の活動は市や議会、市民に利益もない」と厳しく指摘している。

  さらに品川区議会の互助会の実態で見逃せないのは、毎年の部活動に対する補助以外の支出の大部分は「脱会給付金積立金」として予算に計上、前年度末の積立金の残額は1744万円強(会費分を含む)。そこから脱会者(辞職・引退者等)に対する給付を行う仕組みになっていた。これは公費による事実上の「議員退職金」である。地方議員に退職金を支給できる法律上の規定はない以上、これは互助会を隠れみのにした"ヤミ退職金"である。   

地方自治法の第204条の2には、「普通地方公共団体は、いかなる給与その他の給付も法律又はこれに基づく条例に基づかずには、これをその議会の議員、第203条の2第1項の職員及び前条第一項の職員に支給することができない」との規定があるのを忘れてもらっては困る。

 区議会のセンセイ方は、納税者は気づかずマスコミも取り上げないことをいいことに、批判が出るわけはないと安心していたとしか思えない。翌年の4月,"紙爆弾"を区議会の2会派と予算編成の責任者等に発射したところ、たちまちコピーが広がったという情報が入った。そしてその直後に開かれた区議会の互助会の総会で、「06年度の補助金は申請しない。来年度からは予算要求しない」と決定した。

議会の外から批判された直後に改めたということは、それまでは違法性を知りながら税金を食い散らかしていたのだろう、とは思うが、改めた事実は「よし」として、監査請求で追い討ちをかけることは断念した。

そろそろ新年度の予算審議が始まる頃である。税金の使途の監視は議会任せにすると碌なことはないし、まして選挙で4年間を白紙一任したわけではない。行政と議会に対する納税者の厳しい監視は怠るわけにはいかないのである。

 

この記事へのトラックバック(0)

トラックバックURL: http://fukuohiroshi.net/mt/mt-tb.cgi/156

プロフィール

portrait.gif

ふくお ひろし

詳しくはこちら »