発言封殺の愛媛県議会    「時代の遺物」と痛烈批判

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「愛媛県議会では過去40年間、委員長報告に対する質疑を理由もなく省略して来た。」にわかには信じがたいが、これは県議会事務局が認めている事実なのだ。

 これは愛媛県の渡部伸二東温市議の"告発"である。

 「開かれた議会」に逆行する「悪しき慣例」にどっぷりと漬かって恥じることのない、多くの議会の名誉職議員に読んでもらいたいとの淡い期待を込め、以下、阿部悦子愛媛県議(平和とみどりの市民派)の県議会報告に載った、渡部氏の"告発文"を紹介する。

 昨年12月の定例県議会において、阿部悦子県議は、「委員長報告に対する質疑」を行おうとしたが、議長および議会運営委員会は、事実上これを拒絶するという暴挙に出た。

 議会事務局側は、阿部議員が提出した発言通告の要旨に問題があるため認められなかったと説明しているようだが、問題があるのならその点についてだけ訂正を阿部議員に求め、質疑権を保障すべきであったのはいうまでもない。熱意のある議員の言論活動を封殺して恥じない議会および議会事務局を県民として断じて黙過できない。

 今でこそ当たり前になった観があるが、<再質問><討論>でさえ、阿部悦子議員が妨害をはじき返しながら発言の機会を戦い取るまでは、愛媛県議会ではほとんど行われてこなかったのだ。委員長報告に対する<質疑>を慣例的に省略していたとしても、県議会関係者からみれば疑問を感じることもない議会の日常風景なのだろう。

 しかし、質疑を省略するなどは議会の使命に関わる異常事態である。

 たとえば、プライバシーに関わるという理由で、人事案件に関する質疑・討論を慣例的に省略している議会は少なくないようだが、これとて本来あってはならない悪弊だ。人権擁護委員・監査委員などの公人の選任同意を議会が行うに当たって、当該人物についてチェックを行うのは議会として当然である。選任した提案者(執行部)に対する質疑が許されないのは道理がない。  

ところで、通常、議会での議案審議は、提案理由の説明→質疑(会派代表質問)→委員会付託→委員会での質疑→委員長の報告→報告に対する質疑→討論→採決という手順で進められる。自治体の実施する政策について最善の意思決定を議事機関(議会)が行うために、発言の場が重層的に組み込まれているのであり、議員はその職責をわきまえ、徹底した議論を行うことが要求されている。

個々の議員が行う政策提言も、質疑(質問)を通して行うことが多く、質疑こそ議員の議会活動の要である。

愛媛県議会の委員会を傍聴していて奇怪なのは、執行部に対して積極的に質疑を行う委員を平気で妨害する委員が少なくないことだ。委員長はその卑劣な言動を注意もしない。つまり、対論のルールを無視し、人の意見を封殺することが暗黙の了解となっているようなのだ。これは暴力である。

愛媛県議会は、かつて議員が名誉職であった時代の保守性を美徳として受け継いでいるのだろう。だからこそ議会の使命を顧みることなく、執行部の単なる承認機関に安住して恥じず、言論軽視と内向する攻撃性を抱えて、変わろうとしない。もはや時代の遺物というほかない。

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ふくお ひろし

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