選挙で示される民意とは

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 麻生内閣の不祥事続きによる機能不全の国政はおくとして、今、地方の選挙が面白くなっている。4月に行われる名古屋市長選挙の民主党の候補者選びは混迷していたようだったが、強引さが功を奏したのか、衆議院議員の河村たかし氏に決定したようである。
  とかくパフォーマンスが目立つ同氏の信条には、肝心の民主党の市議団にも反発が強いという。有権者が下す判断が見ものである。ただ、過去の著書で河村氏が掲げている(1)ボーナス込みで2300万円ある市長と市議の報酬を800万円にまで減らす(2)議員の「第2の財布」とも言われ、不正使用が相次いでいる「政務調査費」を1円から公開する(3)交通費の名目で支給されている「費用弁償」を廃止するーーとの「持論」を公約にすると、同党議員団の反発はあったとしても、その反発はどこ吹く風と、民意は大きく傾く可能性がある。

もう一つ注目に値するのは、全国に話題を提供している、市長不信任→市議会解散→市議選挙→新議会での市長の不信任の可否→前市長出馬予定の市長選挙と、話題に事欠かない鹿児島県阿久根市のドタバタがある。その第2ラウンドの市議選挙が3月に行われる。

阿久根市の場合は、市議会側には行政に介入したがる悪癖があるようだ。そのうえ金にまつわる問題もある。一方の不信任を可決された前市長は、議員定数を16人から一挙に6人に減員する条例を提案して議会で否決されたという一事で分かる強引さが持ち味。また、市の公報を使って議会・議員批判を繰り返すという公私混同振りにも批判が集まったというから、唯我独尊の独裁的な体質なのかもしれない。その意味では不信任可決は避けられなかったのかもしれない。

「どっちもどっち」という感が無きにしも非ずだが、ここまで市政を混乱させた原因の第一は、双方の「車の両輪」との認識の欠如によるものだろう。そう思うと、議会人であった身としては嘆かわしい気がしてならない。

有権者は出直しの市議選で前市長派は反市長派のどちらを支持するかが最大の関心事になっているようである。どこでも同じだが、当選した途端に特権意識に凝り固まる議員を多く見てきた有権者は、議員の言動を信用していない。だから、議員の定数を減らしたり、議員報酬を削減することにはほとんどの人が賛成する。もう一つ、公務員の定数削減を主張すると、公務員にはスト権の代わりに人事院勧告の制度が設けられているのを無視して公務員攻撃にはパッと飛びつく風潮がある。もちろん、公務員の数が多ければ減らすのは当然だが、過去に職員の定数条例に黙って賛成してきた与党議員が反省しなければならないのは言うまでもない。

 わが国の国民性は、何によらず批判を嫌う特性があるがゆえに、とかく、行政を批判すると嫌われるが、議会・議員批判だけは例外のように肯定的に受け取られる悲惨な現実がある。良くも悪くもそれが民意だといえば確かにそうであるから、前述した二つの選挙の結果次第では、次の統一地方選挙で「議員報酬を日当にせよ」「議員の数を減らせ」との大合唱が全国的に沸き上がるかもしれない。現職でもないのにそれが心配である。

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ふくお ひろし

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