「適材適所」の真意は

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 市議会から2度目の不信任を突きつけられ、4月17日に失職したのが鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(当時)。在職中の人事には多くの問題があることが分かった。
 市議会が二度にわたって教育長人事案を不同意とした人物(長深田悟氏)を、教育総務課長に新規採用し、教育長を兼務させたのである。長深田氏の職員採用は「市職員の任用に関する規則」の「選考による採用」に該当し、通常の試験や議会の同意は不要。また、同課長が空席の教育長を兼務するのも市の規則に定められているという。だが、この人物を採用すること自体、見識を問われる行為であることが分かった。

081210日の読売新聞によると、竹原氏は「私には教育行政をきちんとする責任がある。職員採用は私の権限」と述べたという。だが、長深田教育総務課長の言動に関する次の記事を見る限り、この人事には多くの問題があるだけでなく、以後の、竹原氏が発令した9職員を理由も示さずに降格した違法人事。議長の任免権を無視した違法な議会事務局長の異動など、竹原氏が言う「適材適所」は説得力がない。職員には単なる情実かえこひいきの類にしか見えないだろう。

竹原氏が市役所と比較する民間の事業会社では、業績向上はひとえに人事管理にかかっている、というのが常識である。氏が掲げる市政改革の政策の中身はともかくとして、目的のためには手段を選ばずの態度では、5月に行われる市長選挙で再び当選したとしても、職員の人心を掌握できないので阿久根市政の混乱が続くのは間違いない。竹原氏は市長選挙を、眠っている市民を「覚醒」させる選挙と公言している。政治を良くするのも悪くするのも市民である。いずれにしろ、市民は目を覚まさなければならない、ということである。

 

◇異動めぐる発言で波紋

 阿久根市の「教育長代理」の長深田(ながふかた)悟教育総務課長が、09年度教職員異動について「地域の人から管理職には女性より男性を求める声がある」との差別的発言をしていたことが分かった。教育委員会は8日、対応を協議したが、5月の定例会に結論を持ち越した。

 市教育委員会は、折橋〓典委員長と女性委員の2人。長深田課長の「発言」は先月9日の教育委員会定例会であり、女性委員が「そういう発言はないでしょう。あなたは女性管理職を増やすよう努力する立場ではないか」と抗議すると、長深田課長は「今後は努力します」と答えたという。また、「校長には定年近い人より若い人が良いと県に要望した」とも発言した。

 定例会の議事録は公開されていないが、折橋委員長によると、長深田課長は「女性を差別するつもりはなかった」と発言を認めている。市教委によると、今回の異動で、女性管理職はゼロだった。

 長深田氏は竹原信一市長(50)が昨年、教育長候補として、教育委員の人事案を市議会に提案したが、反対多数で否決。これを踏まえ、議会同意が不要な教育総務課長として採用し、「教育長代理」と位置づけ、議会側の反発を招いた。(読売新聞【馬場茂】)

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