"故人献金"疑惑の説明責任
民主党の1人勝ちには複雑な感情がある。だが、反自民の戦いを長年続けてきた私にとっては、念願の政権交代がなったのは喜ばしいことには違いない。テレビの開票速報を見ながら久しぶりにビールのグラスを口に運んで乾杯した。
この選挙で政治の場から退場してもらいたい方々は大勢いたが、もっともその願いが強いのが、東京12区の与党統一候補だった。平和と福祉の立党の精神をどこかに置き去りにして、自民党の補完政党として我々に犠牲を強いてきたのだから、その報いを受けさせてやりたかった。そしてそうなった。気分はまことに爽快である。
首相経験者の落選があるようだと言われ、接戦と伝えられる選挙区の映像はテレビに出ていたが、愛知の元首相の動向は一向に取り上げられることはなかった。落選確実なら取り上げる価値がないと判断されているとしたら、マスコミというものは冷酷で怖いものである。
新政権に過大な期待は持たないが、政権公約は行程表どおりに着実に進めてもらいたいものである。一方、建設的野党と壊滅的野党はまず、新国会でやるべきことは「政治とカネ」の疑惑の解明である。早くから明らかになっているのに、鳩山由紀夫氏の故人献金偽装疑惑の本人の説明には国民の6割以上が納得していないとの世論調査がある。一国の首相になった立場では、あいまいな決着は許されない。問題がなければ「秘書がー」と決まり文句の言い逃れではなく、国会という公の場で証拠を示して説明すべきである。それで決着するのであれば、政権の支持率は上がるだろう。
佐川急便の金がらみの疑惑の追及を受けた細川護熙首相(当時)が、「違法性はない。何ら問題はない」と国会で開き直ったが、結局は政権を投げ出した前例がある。「政治とカネ」の疑惑解明は全ての政策に優先されるべき課題であるとの認識が、民主党と鳩山新首相に求められているのである。「国民視点に立った政治」を口にする鳩山氏には、ぜひともその気持ちを忘れずに、国会か記者会見で真相の公表に踏み切ってもらいたいものである。
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