「菅直人株」の配当
書棚から一冊の本を取り出してみた。『菅直人・市民ゲリラ国会に挑む』(菅直人著・読売新聞社・1980,8,25刊)である。菅直人氏が何回かの国政への挑戦に失敗した後、衆議院初当選後の最初の著書である。
表紙を開くと、「富久尾浩様」「市民政治の誕生」「1980年8月」「菅直人」とサインがある。あれから30年近く経った今、かつて「三多摩を考える会」で情報交換と勉強を共にし、時には酒を飲み交わした頃を思い起こすと、まさに今昔の感がある。
次期の鳩山由紀夫内閣の副総理として国家戦略局担当が内定した菅氏は、ブレの少ない政治家である。ブレまくる鳩山氏と立場が逆のほうが持ち味を出しやすく、成果が挙がると思われるが、党内力学のもたらしたものにつき、止むを得ないというところか。
初当選以来、菅氏が主張してきたのは「政治を市民の手に」である。政権の№2として強大な権力を行使する立場に就く菅氏に望むのは、彼の持論の実践である。
行政の無駄の排除、天下りの根絶、企業・団体献金の禁止、核を巡る密約の公表、内閣官房の機密費の情報公開、地方分権、年金の一元化、社会保障の充実、議員特権の廃止――など、市民が求める課題は山積している。「ばら撒き」と批判の多い他の政策は実現可能なものから順次実施するとしても、長年の自民党政治の問題点を洗い出し、市民に分かりやすい政治を実現するのが政権の役割のはずである。薬害エイズ問題の実績で国民的評価の高い菅氏が、さらに一歩でも二歩でも実績が積み上げたとき、私が投資した「菅直人株」の初めての配当を受け取ることができるのである。あせらずにやり遂げ、鳩山後の菅直人政権につなげてもらいたい。これは、かつての「三多摩を考える会」のメンバーの共通の熱い思いのはずである。
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