老老介護の現場から

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 妻が要介護2の認定を受けてから3ヶ月経った。呼吸器の難病を発症して1年半,昨年末から2回の入退院を経て現在は自宅療養中だが、なんとか小康を保っている状態にある。

 "専業主夫"として介護に当たる私は29年生まれの80歳。疲れがないといえば嘘になるが、精神的には①現状維持でよし、明日は少しでもよくなっていれば、なおよし②介護するものとされるものが逆でなくてよかった③半生を共にして苦楽を分かち合った相手に対する恩返しだーと自分なりの楽観論が日々の生活の支えになっている。だが、人生最大の難関に差し掛かっているのは、否定しようのない現実である。
 ベッドに伏している妻の声が聞こえやすいところにいる必要があるため、家中の模様替えをした。その結果、3DKの一室を占めていた自分の書斎は物置と化した。
 朝は6時頃に起き、自分の食事と胃を全摘出した妻の食事を別々に作るところから1日が始まる。先に食べることにしているが、目を覚ました妻をトイレに連れて行き、その後、洗顔等を済ませた妻のベッドに食事を運ぶのが7時半頃。後始末を終え洗濯に取り掛かる。それらが一段落したところでパソコンとテレビでニュースを見る。ゆっくりするまもなく洗濯機が「終わりましたよ」と呼びつける。一枚一枚しわを伸ばしてベランダに干す。一段落するまもなく、2人の昼の食事と夜の食事を考えなければならない。妻の口にできるものは限られている。買い置きができないものが多く、必然的に買い物には毎日でなければならない。幸いに、都内でも有名な戸越銀座、武蔵小山の両商店街は3分ほどの近くにある。そのエリアには、東急ストア、オオゼキなどのスーパーが3軒もある。まれに見る地の利に恵まれているのが幸い。加齢と共に弱ってきた足の筋肉を蘇らせるため、"ママチャリ"を押して遠回りして歩く。
 帰ってから昼食の準備に取り掛かり、妻のベッドのそばまで運んで食べさせる。後片付けを終える2時頃から少しの間は自分の時間になる。腰痛と背筋痛と足のむくみを軽減する目的で椅子を利用した体操をする。3時頃から夕食の準備に取り掛かり、妻には2回に分け、時間をかけて食べさせるようにしている。夕食後の8時頃、後片付けをして、やっと自分の時間になる。この生活が定着している。
 入院時には極限までやせ細った妻だったが、退院後は私の作る食事が口に合うのか、無理にたくさん口にするように言うので仕方なくしたがっているのか? 4か月で2Kほど体重が回復したのはこの一年の中での殊のほか嬉しいことだった。
 介護のヘルパーと看護師にそれぞれ週に一度ずつ来ていただいて入浴(シャワー)の世話をお願いしているだけで、後は私が事実上の介護に当たる毎日を過ごしている。私の年齢が気になるようで、共倒れを心配するケアマネジャーには「頑張り過ぎないように」と言われるが、頑張らなければ生きてゆけない。その気遣いを十分に心に留めながら、日々、前向きにほどほどに頑張っている。
 "専業主夫"のため、最近はあちこちの議員からの問い合わせ等にキチンと対応し切れていないのが気になっている。事情が人命にかかわることだけに、お許しいただいてはいると思いながら、申し訳ない気持ちでいっぱいである。多くの方に気にかけていただいていながら返事も思うように出していなかった。勝手ながら、この記事でご了承いただきたいと思いながら書いている。

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ふくお ひろし

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