監査請求には驚かないが
目黒区議会議員の政務調査費の使途に違法・不当な支出があったとして、区オンブズマンの代表の梅原辰郎目黒区議が23日、同区議会の12人(自民8人、民主4人)、1会派(公明・3人)の調査費約400万円の返還を区長に求める住民監査請求を起こした。
同区の政務調査費に関する条例には議会のチェック機能の規定がある。議会の(連帯的な)責任を明確にしている点では他の議会よりも進んでいると評価していたが、今回の監査請求を知り、いささか驚いた。
目黒区の政務調査費に関する条例・抜粋
(議長の調査等)
第13条 議長は、政務調査費の適正な運用を期すため、前条の規定により報告書が提出されたときは、調査を行わなければならない。
2 議長は、前項の調査の結果を議会に報告するものとする。
3 議長は、第1項の調査の結果、第11条に規定する使途基準に基づかない経費(以下「使途基準外経費」という。)の支出があると認めるときは、その旨を区長に報告するものとする。
早速、同議会事務局に問い合わせて次のような回答を得た。(要約)
「(条例に基づき)議長が調査の結果を議会運営委員会に報告している。質疑があるときもあるが、最終的には全会派が報告を了承している。使途基準に基づかない経費の支出があったとして区長に報告した例はない。(監査請求を起こした)梅原区議の会派(独歩の会・4人)代表も議運のメンバーとして報告を了承している」。
一方、オンブズマンのHPには、宮原氏の言い分が新聞を引用して次のように載っている。
――同区条例では、政務調査費は議員の資質向上のための調査研究費の一部として区議1人あたり年168万円まで交付が認められている。
政務調査費の中にはパソコン代約18万2千円やカラーレーザー複合機13万千円、デジカメ代5万4800円の購入、携帯電話代約4万2千円などがあり、梅原さんは「個人が所有、使用するもので、違法・不当な支出」と指摘。人件費30万円を計上した区議について「経営する会社の社員に支払った」とした。
個人で最も高額な不当支出を指摘されたのは当選1回目の男性区議で、計約93万円。梅原さんは「ガソリン代が(短期間に)7千円台、8千円台など高額で、狭い目黒区内で不可能な走行距離」とし、高速代700円が複数あるのは「実家の往復料金」と指摘した。
また、江戸博物館の駐車場代900円、高速代700円が計上されており、「女性と2人で観光した。江戸博で撮影された2人の写真や知人の証言がある」としている。
梅原さんは「17年度政務調査費の住民監査請求では公明党区議6人が辞職し、多くの議員や会派が政務調査費を返還して全国に波及した。今回も女性同伴に政務調査費を使うなど、想像を絶するようなことをやっている議員がいた。悪質なものは刑事告発し、監査請求が却下された場合、住民訴訟で違法・不当な支出を明らかにしたい」と話しているーー
このように、梅原議員は刑事告発も考えているようだ。調査の結果にはよほどの自信があるのだろう。しかし、収支報告書と領収書を元に調査した結果がこれほど食い違う事実を、市民はどのように受け止めればいいのか戸惑うことだろう。議長の調査と議長報告を了承した市議会としての市民に対する説明責任はどうなるのか? また、議長報告を了承した独歩の会の代表の他会派との信義上の問題もある。同区議会には議運に入れない無会派の議員が3人いる。私がその1人なら、「市民の真実を知る権利」を主張して間違いなく事を構えるだろう。
領収書の添付義務を条例に規定しただけで事足りるとしている議会が圧倒的に多いが、それだけで事を済ませるのでは、極論すれば、市民に監視を委ねるだけの無責任体制である。一歩進んだ条例の規定のある目黒区議会がこの問題で沈黙を守るのか、何らかの意思表示をするのか? 成り行きを遠くから見守るようである。
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