官房機密費は非公開

| | TrackBacks(0)

 官房機密費の非公開の方針は、鳩山首相と官房長官が白々しく口にした。

 総選挙で政権交代を選択した国民に対する裏切り行為である。だが、いまだに党内から批判の声が出ないのが不思議である。市民感覚を忘れた政党には一かけらの魅力も感じなくなった。
民主党内では、外向けに発する言論の自由が徐々に制限されているのか、あるいは無言の圧力でも存在するのか? 法案の採決要員程度にしか扱われていない国会議員は、幹部に口をきく気力もないようである。
 報道機関が猛烈に批判すると思っていたが、朝日新聞だけが社説で痛烈な、しかももっともな批判をしている。以下に7日付けの記事を引用する。

 官房機密費―この豹変は見過ごせぬ
 
 民主党は、自民党の長期政権時代のうみを取り除くのが使命と言ってきたのではなかったか。それなのに、鳩山由紀夫首相や平野博文官房長官のこの対応は理解しかねる。
 官房長官が使途を公開せずに使える内閣官房機密費について、歴代政権と同様、使途や金額を明らかにしない方針を打ち出したことだ。首相は「国民の皆さんに全部明らかにできるたぐいのものではない」と述べた。
 しかし、機密費の不明朗さを批判し、情報公開を求めてきたのは民主党自身だ。
 年間約14億円、1日あたりにすれば400万円にのぼる機密費の使途は、内政、外交全般にわたる政府の情報収集の対価などとされている。
 だが、その一方で、海外に出張する政治家への餞別(せんべつ)、与野党の議員に対する背広代やパーティー券購入などの国会対策に充てられていたことも明るみにでている。外務省の官僚が5億円以上の機密費をだまし取り、競走馬やマンションを買っていたこともあった。
 こうしたデタラメな使い方がまかり通ってきたのは、機密費が領収書のいらない金で、使途を明らかにする必要がなかったからだ。
 もちろん、情報提供者の氏名など、明かせない情報も少なくなかろう。ただ、外交文書などと同様、一定期間を過ぎたものについては、可能な範囲で情報を公開する仕組みを考えるべきだ。いずれ公開されるという緊張感があって初めて、機密費の不適切な使用に歯止めがかかる。
 民主党もそう考えたからこそ、野党時代の01年、機密性の高いものは25年、それ以外は10年後に情報公開を義務づける官房機密費流用防止法案を国会に出したはずだ。
 当時も、民主党の代表は鳩山氏だった。小泉純一郎首相との党首討論で「機密費に関しては徹底的に情報の公開を求めたい」と迫ったのに、今回は記者団に「私は一切、この問題には触らない。すべてを官房長官にゆだねている」と逃げ腰だ。
 その平野氏は就任直後の記者会見で、前任者から引き継ぎを受けていたにもかかわらず、機密費の存在を否定した。1カ月以上たってようやく認めたが、「使途は私が責任をもって判断する。私を信頼していただきたい」と、透明性の向上には触れなかった。
 納税者としては、自民党政権下の機密費の使途を徹底検証し、問題があれば明らかにしてもらいたいところだ。なのに、機密費を使える立場になった途端の豹変(ひょうへん)である。このままでは、自民党政権時代と何も変わらない。
 首相は方針転換の理由をきちんと説明すべきだ。さらに、機密費の使途についての基本原則や情報公開に向けての考え方を明らかにしてもらいたい。

この記事へのトラックバック(0)

トラックバックURL: http://fukuohiroshi.net/mt/mt-tb.cgi/269

プロフィール

portrait.gif

ふくお ひろし

詳しくはこちら »