闘病記22 名医赴任で治療数10倍

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1人の名医の着任後、全国から困難症例が集まり、着任後5年間でESD治療(内視鏡による手術)数は約10倍に増加したという。

NTT東日本関東病院消化器内科の食道がん、胃がん、大腸がんの患者数である。食道、胃、大腸の壁の表面にできた手のひらサイズの大きながんも、薄皮を剥ぐようにあっという間に切除する技術を持つ。そのレベルの高さから全国の医療機関からESD治療の依頼を受け、実際に手技を見せることで多くの医師への教育にも貢献。中国やインドなどの海外で公開治療(ライブデモ)も行い、世界的にもその手技習得の医師が増えているという。夕刊フジが報じた。

私の主治医は同病院の消化器内科の寺谷卓馬医長(肝臓がんの全国的に評価の高い名医)のチームで、無痛のラジオ波の治療を受けている。その上、万一、食道、胃などに転移したときの治療の選択肢はここでも広がっていることを知った。私の「病気に勝つ」との精神力の元は、案外、この種の情報に助けられているのかもしれない。

消化器系がんESD治療で全国トップレベル 夕刊フジ 12月5日(月)16時56分配信

食道がん、胃がん、大腸がんといった消化器系の早期がんは、内視鏡を用いて病巣のみを切除する治療が盛んに行われている。かつてはワイヤーで粘膜を焼き切る内視鏡的粘膜切除術(EMR)が一般的だったが、1990年代後半からは、ITナイフを用いてより広範囲な患部をはぎ取る「内視鏡的粘膜下層剥離術」(ESD)が広がりを見せた。
胃や腸などの壁は5層で成り立ち、3層目の粘膜下層の浅い部分までにがんがとどまり、リンパ節や他臓器への転移が見られないケースが適用となる。EMRが主流だった頃は、ワイヤーがひっかけられる2センチ程度の大きさまでに治療の適用は限られていたが、ESDが登場してからは、より大きながんに対しても行われるようになった。
範囲が広がると、それが本当にESDで治療が済むものなのかといった的確な診断と、切除に対する高いレベルの技術は不可欠。そんな胃や腸の早期がんに対するESD治療で、全国トップレベルの実力を誇るのが、NTT東日本関東病院消化器内科だ。
「当科では、他院で手術が必要といわれた患者さんも、病巣がESDに適用できると診断できれば、積極的に治療しています。だからといって、何でもかんでもESDといった技術依存にはなりません。あくまでも患者さんの健康を取り戻すためのひとつの方法として、技術レベルの向上に努めているのです」とは、同科の大圃(おおはた)研医長(37)。
医師となってからESDの手技について徹底的な研鑽を積み、その手腕を買われて2007年に現病院に異動。現在もその姿勢を貫き通している。大圃医長赴任後は全国から困難症例が集まり、着任後5年間でESD治療数は約10倍に増加した。
食道、胃、大腸の壁の表面にできた手のひらサイズの大きながんも、薄皮を剥ぐようにあっという間に切除する技術を持つ。そのレベルの高さから全国の医療機関からESD治療の依頼を受け、実際に手技を見せることで多くの医師への教育にも貢献。中国やインドなどの海外で公開治療(ライブデモ)も行い、世界的にもその手技習得の医師が増えている。
「たとえ大きな病変であっても、ESD治療は時間をかけずに行わないと、患者さんの身体に負担がかかります。かといって取り残しがあれば再発してしまいますから、それを防ぐ的確な技術を多くの医師に教えているのです。出し惜しみはしません」と大圃医長。
自分自身が苦労して身につけた技術を、惜しげもなく他の医師たちに伝授する。その背中を追って、同院には多くの医師が集まり、結果として多くの患者を救えることになると大圃医長は考えているのだ。
「私が100人育てれば、1人100人の患者さんを治療するとして年間1万人の患者さんを救えることになる。また、若い医師は、次の新たな技術も生み出すチャンスも得られると思っています」
そう話す大圃医長が心掛けているのは、「常に失敗は許されない」という緊張感を維持すること。1人1人の患者が「治療を受けてよかった」と思えるように、日々全力投球している。 (安達純子)

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